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通信制高校のしくみと選び方TSUSHIN — 制度から調べる進路メモ

学校の見分け方

通信制高校の選び方——資料請求と説明会で確認する14項目

通信制高校のパンフレットは、どの学校もよく似ています。写真の雰囲気と「自分のペースで」というコピーだけでは差がわかりません。 差が出るのは、スクーリングの実施方法、卒業までの支援体制、費用の総額、という3か所です。ここを聞き出すための確認項目を並べました。

まず2〜3校の資料を並べる

資料請求は無料で、届くのはパンフレットと募集要項です。1校だけ取り寄せても比べる相手がいないので、条件の違う2〜3校を同時に頼むのが効率的です。 届いた資料を読むときは、下の項目にあたる記述を探しながら読むと、書いていないことがはっきりします。 書いていない項目こそ、説明会で聞く価値のある項目です。

A. 出願・在籍にかかわること

1. 自分の住所から出願できるか

広域か狭域かで、募集地域が決まっています。全国から出願できる学校もあれば、隣接県までの学校もあります。最初に確認すべき条件です。

2. 入学できる時期

4月入学だけの学校と、10月にも入学できる学校、随時受け入れている学校があります。今すぐ動きたい場合は、この差がそのまま待ち時間になります。

3. 転入・編入の受け入れ条件

在籍中に移る「転入」と、退学後に入り直す「編入」では扱いが違います。編入は受け入れ時期が限られる学校があります。

4. 前の高校の単位と在籍期間を引き継げるか

引き継げる範囲は学校の判断で決まります。何単位認められるかによって卒業時期が変わるため、成績証明書を持って個別に相談するのが確実です。

B. 学習の進め方にかかわること

5. スクーリングの形式と日数

年に数日の集中型か、週に何日か通う形か。集中型の場合は宿泊を伴うことがあり、その費用と日程は必ず確認してください。

6. スクーリングの会場がどこか

本校まで行く必要があるのか、近くの施設で受けられるのか。移動時間と交通費は、3年間の合計で見ると小さくない差になります。

7. レポートの提出方法と本数

紙かオンラインか、年間で何本か。オンライン提出は続けやすい一方、自分で開かないと何も始まらないという性質もあります。

8. 単位認定試験の回数と、落としたときの扱い

再試験があるか、次の機会はいつか。ここが年1回だと、1度の失敗が1年の遅れになりかねません。

9. 進度が遅れたときに誰が気づくか

通信制でいちばん重要な質問だと思っています。レポートが止まったとき、学校から連絡が来る仕組みがあるのか、 それとも本人が動かない限り何も起きないのか。担任がつくのか、担当者が何人の生徒を見ているのかまで聞けると、実態がわかります。

C. 費用にかかわること

10. 初年度に実際に払う総額

入学金・授業料・施設費・教材費を合計した金額で聞きます。「1単位いくら」だけでは比較できません。

11. 就学支援金を差し引いた後の自己負担額

支援金を適用したうえで、いくら振り込むことになるのか。学校は具体的な金額で答えられるはずです。

12. サポート校の料金が含まれているか

通学コースの料金がサポート校側のものである場合、それは就学支援金の対象外です。内訳を分けて確認してください。

D. 卒業後にかかわること

13. 進路の実績が、何を母数にした数字か

「進学率○%」という表記は、卒業生全体なのか、進学希望者だけなのかで意味が変わります。 どちらを分母にした数字か、在籍者数と卒業者数はいくつかまで聞くと、学校の説明の丁寧さも同時にわかります。

14. 在学中に相談できる進路の窓口があるか

通信制は登校日数が少ないぶん、進路の情報が入ってくる機会も少なくなります。誰にどのタイミングで相談できるのかを確認しておくと安心です。

順位ではなく、条件で選ぶ

通信制高校に総合的な優劣はつけられません。週5日通える環境が合う人と、それが負担になる人では、同じ学校の評価が正反対になります。 上の14項目のうち、自分にとって外せないものを3つ選び、それを満たす学校だけを残す。この順番のほうが、比較サイトの順位を眺めるよりも早く決まります。

まだ条件がはっきりしない段階でも、資料を2〜3校分並べてみると「自分は何が気になるのか」が見えてきます。 通信制の仕組み学費の考え方を先に押さえておくと、説明会での質問の精度が上がります。

出典

  • 文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」(面接指導・添削指導の実施体制に関する考え方)
  • 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」(支給対象の範囲)
  • 確認日:2026年8月8日