お金のこと
通信制高校の学費と、2026年度からの就学支援金
通信制高校の学費でわかりにくいのは、金額そのものより「何にいくらかかるか」の構造です。 全日制のように年額いくらではなく、履修する単位数で変わります。そのうえに就学支援金が乗り、さらにサポート校を使う場合は別料金がかかります。ここを分けて考えると、学校間の比較ができるようになります。
学費は「単位あたりの授業料」で決まる
通信制の授業料は、多くの学校で「1単位あたり○○円 × 履修する単位数」という計算です。 年に25単位前後を履修するのが標準的なペースなので、1単位1万円の学校なら授業料は年25万円前後、という見当がつきます。
これに加えて、学校ごとに次のような費用がかかります。
| 費目 | 目安の考え方 |
|---|---|
| 入学金 | 入学時に1回。学校により幅がある |
| 施設費・教育充実費 | 年額。名称は学校により異なる |
| 教科書・教材費 | 履修する科目数で変わる |
| スクーリング費用 | 宿泊型の集中スクーリングがある場合は交通費・宿泊費が別途 |
| サポート校の利用料 | 利用する場合のみ。高校の学費とは別勘定 |
2026年度から、就学支援金の所得制限がなくなった
高等学校等就学支援金は、授業料にあてるために国から学校へ支払われる返済不要の制度です。生徒や保護者が直接受け取るのではなく、授業料と相殺される形で使われます。
この制度は2026年度に大きく変わりました。所得制限が撤廃され、世帯収入にかかわらず対象になったこと、そして支給の上限額が引き上げられたことの2点です。
| 区分 | 年額の上限(2026年度) |
|---|---|
| 私立の通信制 | 33万7,000円程度 |
| 私立の全日制 | 45万7,000円程度 |
単位制をとる通信制の場合は、1単位あたりで支給額が決まります。この単価が学校の授業料単価を上回れば、授業料の部分は実質的に負担なしに近づきます。 実際、私立通信制の1単位あたり授業料は1万2,000円以下の学校が多く、多くのケースで授業料はほぼまかなえる計算になります。
支給を受けられる期間には上限がある
支給期間は通算で、全日制が36か月、定時制・通信制が48か月までです。 全日制からの転入で在籍月数を消化している場合は、その分が差し引かれます。「留年してから転入」という順序だと期間を使い切っていることがあるため、転入前に残り月数を学校へ確認してください。
申請しないと支給されない
自動的に適用される制度ではありません。入学時と、その後は年1回の届出が必要です。 期限を過ぎると、その分の月については遡って支給されない扱いになるため、学校から案内が来たら後回しにしないほうが安全です。
サポート校の利用料は支援金の対象外
誤解が起きやすいのがここです。就学支援金の対象は、あくまで高等学校の授業料です。 サポート校は高校ではないため、その利用料は対象になりません。
週5日通うコースを選ぶと、通学部分の費用がサポート校側の料金として乗ることがあります。 「支援金で無償」という説明を見たときは、それが授業料だけの話なのか、実際に払う総額の話なのかを必ず切り分けてください。
授業料以外を支える制度もある
授業料以外の教育費(教科書代、学用品、通学費など)については、生活保護受給世帯や住民税非課税世帯を対象にした「高校生等奨学給付金」があります。 また、都道府県が独自に授業料の軽減助成を設けている場合もあり、内容は自治体によって異なります。
こうした自治体の制度は、住んでいる都道府県が基準になることが多く、学校の所在地とは別です。 お住まいの都道府県の教育委員会か、進学先の学校の事務窓口に確認するのが確実です。
出典
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」(2026年度の支給上限額・支給期間・申請手続き)
- 文部科学省「高校生等奨学給付金」(授業料以外の教育費支援)
- 確認日:2026年8月8日